少しずつ寒さが和らぎ、日差しが暖かく感じられる日も出てきた2月下旬。
花粉のシーズンはまさにこれからがピークを迎えようというところ。
鼻水がダラダラと止まらない、鼻詰まりがひどくなるなど鼻の不調を感じやすい時期です。
鼻水のせいであまり乾燥を感じなくても、鼻の中は炎症でヒリヒリ、鼻奥はガサガサ、ムズムズすることがあります。
まだ風も冷たく、鼻の奥が潤っているのか、乾燥しているのかよくわからない状態が続くことも。
そんな鼻の不調を感じても、時期的に花粉のせいだと思いがちですが、実は他にも考えられる原因があります。
40歳を過ぎた頃から女性に訪れる更年期には女性ホルモンの分泌量が低下し、体調にさまざまな変化をもたらします。
肌や粘膜のうるおいを保つのに重要な役割を果たす女性ホルモン。
その分泌量が低下すると肌だけでなく、粘膜も乾燥しやすくなります。鼻の粘膜が乾燥すると、ドライノーズと呼ばれる状態に。バリア機能の低下や炎症を引き起こします。
鼻づまりや鼻の奥の違和感を花粉のせいだと決めつけず、女性ホルモンの低下による粘膜の乾燥も考えてみましょう。
そして、鼻だけでなく全身の状態に目を向けることも大切です。
鼻の粘膜は、そもそも花粉やホコリなど外的刺激を受けやすい部分。
それが女性ホルモンの低下で粘液の分泌量が減少すると、バリア機能が低下して異物への反応が強くなり、鼻の不調を感じやすくなることがあります。
年々花粉シーズンに鼻の不調が強まっているように感じたら、免疫力の低下を疑いつつ、女性ホルモンの低下による粘膜の乾燥でバリア機能が落ちている可能性も考えてみましょう。
粘膜の乾燥対策には加湿器などを使い、部屋の湿度を適切に保つこと。
花粉症への対策としてマスクを着用する機会も増えますが、内側にハンカチやガーゼを挟み、マスク内の潤いを保つ対策も忘れずに。
花粉シーズンが終わり、鼻の不調が落ち着くと、粘膜の乾燥対策もつい怠りがちになります。
しかし、花粉シーズンの後はバリア機能が低下してウイルスなどに弱くなり、風邪をひきやすくなったり、体調を崩しやすくなることも。
また、乾燥して不調が出やすいのは鼻だけではありません。
口の中や喉も、鼻と同じ粘膜ですから、乾燥による不調も出ることがあるでしょう。
例えば喉がイガイガしたり、口内炎ができやすくなったりすることも。
鼻や口、喉といった粘膜は、いわば体の外側と内側の境目に位置し、ウイルスや花粉などの異物から守るバリアの役割を果たしています。
だからこそ、十分に粘膜を保湿しつつ、花粉などの余計なものはできるだけ体内に入り込まないようにしましょう。
鼻の粘膜への乾燥対策としては、スプレーやワセリンで保湿するという方法もあります。
しかし、粘膜の乾燥が鼻だけに留まらず、口や喉、膣など多岐に及ぶことを考えると、
インナーケアで根本的なアプローチを行うことが大切です。
私たちの体を構成する細胞を作るのは、日々口にしたもの。
みずみずしい身体を保つためには日々の食事を見直しましょう。
肌や粘膜を支える「ビタミンA」や「オメガ3」などの栄養素は、意識的に摂り入れたいところ。
「ビタミンA」は、緑黄色野菜やレバー、うなぎに多く含まれています。
「オメガ3」は青魚や亜麻仁油、エゴマ油などに多く含まれていて、肌や粘膜と相性がよい良質な脂質。
また、私たちの身体の60%を占めるのは水分であることを考えると、十分な水分を補給することも欠かせません。
同時に、利尿作用のあるカフェインやアルコールとの付き合い方も見直してみましょう。
忙しい毎日、なかなかバランスの良い食生活を送るのは難しい場合も。そんなときはサプリメントを取り入れるのも、手軽で便利です。
インナーケアは、コツコツ毎日続けることが何よりも大切。
ライフスタイルに合ったインナーケアで、潤って健やかな毎日を過ごしましょう。